2024年9月25日に実施した株式会社BlueMeme(4069)IR説明会の書き起こし記事を公開しました!
※元記事はこちらです。
https://ishare-emh.com/report/765/view-full
~~~ IR説明会Q&A要旨 ~~~
Q: 1Qの売上、営業利益、経常利益が非常に悪かったが、今期の業績予想を達成できるのか。受注残が低い状況となっている中、2Q以降巻き返すことができるのか。また、巻き返しの方策を具体的に説明してほしい。
A: 今期1Qは確かにスロースタートとなった。主な要因として、OutSystemsの値上げにより、ライセンス関連の受注が昨年に集中したことが挙げられる。しかし、2Q以降は予定している案件があり、それらをこなしていくことで挽回していきたい。また、これまではOutSystemsを中心に展開してきたサービスに加え、今後はマルチローコードに対応したサービスも提供し、下期の業績改善を目指していく。
(株式会社BlueMeme 2025年度第1四半期決算説明資料より引用)
Q: 1Qの補足資料にある大型案件の提案は受注に結びついているのか。
A: 大型案件については現在進行中で、下期には売上に現れる予定である。
Q: 上場前から貴社のビジネスに高い期待を持っていたが、現状の投資成績は大変残念なものとなっている。中期経営計画の実現を強く期待しているが、松岡社長の現経営計画への自信、その自信の背景や実現に向けて社長が描かれているストーリーを示してほしい。
A: 当初はOutSystemsのローコードを中心に業績を拡大する計画であったが、想定より急速にマルチローコードのニーズが増大している。こうしたニーズを踏まえ、異なるローコード製品を活用したサービスと、上流工程にシフトしたコンサルティングサービスの展開を進めている。マルチローコード戦略に加え、上流工程のビジネスアーキテクト育成と、その育成した人材を活用したコンサルティングサービスの提供を通じて、中期経営計画を達成したいと考えている。
Q: (Q3に関連して)マルチローコード戦略に移行するにあたり、OutSystems以外のローコード言語に対応可能な人材をどのように獲得するのか。
A: デジタルレイバーの活用を考えている。他社のローコードに詳しい人材を少人数育成する一方で、基本的には共通の言語でデジタルレイバーを活用し、様々なローコード技術を運用していく方針である。
Q: 直近為替が円高になっているが海外のOutSystemsを扱っている事で業績に影響はあるか。
A: 円安時には仕入れコストが上昇する一方で、円高時には調達コストが低下するため、業績には一定の影響がある。ただし、OutSystemsに関しては基本的に日本法人と取引しているため、それほど大きな影響にはならないと考えている。
Q: 8/13の開示でデジタルレイバーの開発の進捗が開示されましたがもう少しわかりやすく教えてほしい。
A: デジタルレイバーのデモムービーがあるため、そちらを参考にしてほしい。具体的には、slack上でデジタルレイバーを呼び出し、設計書を渡し、ローコードの種類を選択することで、デモレベルのアプリをURLで返すというプロセスになっている。仕様変更にも対応可能となっている。
(株式会社BlueMeme IR説明会 1:03:14~参照)
Q: 四季報に書かれている「工程の自動化するデジタルレイバーの適用範囲を50%超へ拡大」とは8/13の開示の事か。
A: 四季報に記載されている50%という数字の出どころは不明であり、現時点で弊社のデジタルレイバーの適用範囲はまだ50%には達していない。おそらく、資料28pにおける、現在の開発進捗がちょうど中間地点であることから、それを50%と解釈しているものと思われる。
Q: ローコード市場は年平均成長率(CAGR)が10%後半で拡大しているにも関わらず、ローコード型アジャイル手法での優位性がある貴社の受注が弱いのは何故か。また、何がボトルネックになっているのか。
A: 主な原因として、弊社はOutSystemsと協力して顧客開拓を進めてきたため、インバウンド中心の営業活動になり、マーケティング活動に十分な注力ができていなかったことが挙げられる。今後は、セミナーやIR等、弊社がリーチできていなかった領域や、ローコードを導入していない企業へのマーケティング活動を強化していく予定である。
(株式会社BlueMeme 2025年度第1四半期決算説明資料より引用)
Q: 決算説明資料のp25に記載されている「マーケティング活動の強化」とは、具体的にどのような内容なのか。具体的には、どのように代理店を通じて受注するのか、営業の人材を来期や中期的にどれくらい増やすかなどを教えてほしい。
A: 企業の経営者層に対しては、Webメディアや対面式のセミナー、ウェビナーを通して、ローコードのメリット、弊社の優位性をアピールしていく方針である。技術者に対しては、セミナー主体であるが、YoutubeやWebメディアを活用した啓蒙活動も進めていく。また、マルチローコード導入を視野に入れたマーケティング活動を行っていく計画である。
(株式会社BlueMeme 2025年度第1四半期決算説明資料より引用)
Q: 九州大学との共同研究、ネットワークAI統計解析基盤の研究開発や量子AIを用いたバイオメディカル分野特化の大規模言語モデルの共同研究について進捗状況を伺いたい。
A: 詳細な進捗については開示できない。九州大学と共同研究を行っている理由は、近くに量子コンピューターをエミュレーションするためのインフラ環境が構築されている点にある。現在、アルゴリズムに関する論文を書くための研究を日々行っており、研究領域はゲノム解析における最適化、機械学習や深層学習の分野である。
Q: 三井情報株式会社もバイオインフォマティクスソリューションに注力している。また、三井物産の子会社のゼウレカもバイオテック企業向けAI活用による大規模計算の創薬支援サービスの提供やAI創薬の研究開発を行っており、エヌビディアをパートナーとするなど力を入れている。貴社の九州大学との研究は、将来的には三井グループのAI創薬事業との連携はありえるのか。
A: 三井情報株式会社の得意領域は主にハードウェア分野であると認識しており、弊社はソフトウェアのアルゴリズムに関する研究を進めている。株式会社ゼウレカはAI創薬におけるリソース提供をしているとメディア等で発信されている。弊社の研究が進み、サービスが確立した段階では、連携の可能性は考えられる。株式会社ゼウレカの取り組みは、NVIDIA CorporationのGPUを用いたハードウェアベースのプログラム作成であると認識している。
Q: 京都大学や九州大学との連携を通じて、量子領域を含む先行的な研究開発を進めてきた貴社の研究の今後の展開に大いに期待している。創薬や物流といった分野では、大手企業との激しい競争が続いているが、貴社独自の勝負どころや、大手にはない強みについて教えてほしい。また、成功への確度や自信についても聞きたい。
A: 大手が注力している分野は量子コンピューターにおけるハードウェアの開発であり、再現性があるビジネスである。一方、弊社のアルゴリズム開発は再現性が低い分野であり、人材での差別化が図れている。将来的には、アルゴリズムのライセンス販売というビジネスモデルを考えている。
Q: 新規採用をここ数年積極化しているが、手ごたえはどうか。現在のエンジニア数は2年前と比べてどれくらいか。
A: 正社員は2021年11月の開示から40%ほど増加している。パートナーを含めると2~3割増えている。IT未経験者から特定業界に特化したエンジニアまで、人材の多様化が進んでおり、採用には非常に手ごたえを感じている。
(株式会社BlueMeme 2023年有価証券報告書より引用)
Q: 売上拡大の基盤となる受注獲得動向について。三井情報との協業の成果は1年以内に出るのか。また、三井情報以外の受注獲得ルートについて、どのような取り組みを行っており、手ごたえはどうか。
A: 三井情報との協業の成果だが、業務知識がなくて内製化が進まないという課題の解決に向けて、上流工程を担う人材育成を進めており、下期には売上に貢献していく見通しである。三井情報以外では、マーケティング活動を強化し、オンラインおよび対面のイベントを増やしている。弊社から顧客を獲得する動きを進めており、受注は増えていくと考えている。
Q: デジタルレイバーとは“上流工程を自動化するロボット”なのか。また、株主総会の質疑応答に「リリース時期は本年度下期」とあるが、LEVEL5が本年度下期に完成するのか。
A:デジタルレイバーは、上流工程の情報をシステムの利用者が整理し、その内容に基づいてシステムを作成するロボットである。デジタルレイバー自体は既にリリース済みであるが、LEVEL5の開発にはまだ時間を要する見込みである。
Q: デジタルレイバーと似たシステムやサービスは既に存在するのか。海外と日本の状況を教えてほしい。
A: 詳細は分からないが、弊社の開発方法論に適応したものであり、同じものはない。他社で似たロボットが出てくる可能性はあるが、同じものが出てくることはない。
Q: デジタルレイバーは貴社が絡む案件のみに使用されるのか。OutSystemsの導入支援をする他社に向けて、デジタルレイバーのサービス展開をすることも視野に入れているか。
A: 基本的には弊社の絡む案件にのみ適用する方針である。導入支援を行う会社へデジタルレイバーの導入をすることは、現行のスキーム上難しいと考えている。
Q: ローコードによる開発の容易さや内製化のしやすさは理解するが、一方でOutSystemsのプラットフォームでは開発が難しいシステムも多いと聞く。今後もローコードのみで業績をスケールさせられるのか。また、量子化AIとOutSystemsのローコードとの関連性について詳しく教えてほしい。
A: OutSystemsが開発に適さないケースもあり、そういった場合にはマルチローコードを活用して対応する方針である。現時点では、量子化AIとOutSystemsの間に直接的な関連性はない。
Q: 貴社が顧客企業に開発として入る場合は、顧客企業は開発基盤として必ずOutSystemsを入れることになるのか。OutSystemsを導入したくない顧客は対象外になるという課題を解決するためのマルチローコード戦略なのか。
A: その通りであり、OutSystemsを導入したくない顧客に対応するためのマルチローコード戦略である。
Q: 貴社のバリューを理解して受注を受けるには、顧客企業トップの理解が重要だと思うが、日本企業は往々にしてこの点が難しく、レガシーシステムからの脱却に踏み切れない企業が多い。トップの知識や意思決定に関して、社長の見解を聞かせてほしい。また、デジタルレイバーによるコード解析は段階的だと思うが、いつ頃までに完成しそうか。
A: デジタルレイバーのコード解析は案件ごとに段階的に改装していく方針である。また、企業のトップがどの部門の意見を聞いて決定を行うかも重要であり、その部門に対して弊社の価値に対する理解を促していく方針である。また、時間の経過とともに世代交代が進むことで、トップの理解が深まることも見込んでいる。
Q: 「OutSystemsの継続的な値上げ傾向」というのは今期1Qの資料で初めて目にしたが、1年前に策定した中期経営計画の段階で、この値上げ傾向によるOutSystems案件の受注への影響は考慮していたのか。
A:OutSystemsの値上げについて、価格変動はある程度予想していたものの、案件の大型化や、為替が急激な変動により正確な予測が困難であった。値上げの負担配分については、顧客ごとの価格交渉により決定している。
(株式会社BlueMeme 2025年度第1四半期決算説明資料より引用)
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