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~~~ IR説明会Q&A要旨 ~~~
- Q: ペアキャピタルとの業務提携の意義と、貴社に与えるマイナスの影響をどのように考えているか。
A: 業務提携の意義は、M&Aに関して仲介業者のノウハウを活用し情報収集を強化し、M&Aさらに積極活用して戦略領域をしっかりと展開するためである。このためM&Aで売却予定として案件化する前の情報を先に入手することが効果的であり、、業界内で一定のプレゼンスがあるペアキャピタルを選んだ。マイナスの影響として、一部報道でペアキャピタルに対するネガティブな情報を取り上げられたことによるレピュテーションリスクと認識している。弊社は当該報道についてあらかじめ把握し、ペアキャピタルへの確認や関連する事実を精査し、同社において法令に違反する行為がなかったこと等を確認のうえ、マイナスの影響を上回るだけの戦略上のシナジー発揮が期待できると判断の上、業務提携に至っている。
- Q: 前期予算未達になったことの責任に加えて、今期の予算達成の根拠について知りたい。
A: 前期の予算未達は事実であり、要因を理解した上でリカバリーすることが責任を果たす本質であると考える。未達の具体的な要因として、戦略領域が伸び悩んだことが挙げられる。このため、ペアキャピタルとの業務提携によるM&A推進強化も含め、戦略領域での業容拡大が重要であると捉えている。現状で売上の過半を占めるSES領域は安定した成長が見えており、また、戦略領域はスポット案件が多く売上の変動要因とはなりうるが、分母となる顧客ネットワークの拡大は順調に進捗しているため、今期は予算達成できると考えている。
- Q: 貴社のコンサルティング領域は貴社株主である日鉄ソリューションズと業務領域がかぶると思われるが、問題はないのか。
A:ターゲットとなる案件規模が異なるため棲み分けができていると考えている。日鉄ソリューションズはSIer業界売上高5位の大手であり、案件規模は5億円以上のものを受注しているのに対し、弊社のターゲット案件は最大でも3億円を目途とした規模である。なお、弊社が5億円以上の大型案件を狙う場合でも日鉄ソリューションズとの協業により取り組み可能と考えている。
出典:ヒューマンクリエイションホールディングス 2024年9月期通期決算中長期経営方針説明資料 より
- Q: 海外にオフショア拠点を設置する予定はあるのか。
A: オフショア拠点の設置自体をを検討の選択肢から除外しているわけではないが、優先度はさほど高くない。海外案件が見えている状況であれば海外拠点の開設を検討するが、弊社はすでに海外のオフショア人材をビジネスパートナーとして充当できている状況でもあるため、オフショア人材を活用するためだけにあえて自社で海外拠点設置を行うことは考えていない。
- Q: 人材の定着率を高めるために、工夫されていることがあれば知りたい。
A: 弊社は同業他社と比べて離職率が低いと認識しているが、その理由として、比較的ジュニアなエンジニアでも案件の上位工程にチャレンジさせられう環境を整えていることが挙げられる。弊社における受託開発ITシステムの企画から開発・保守運用まで一気通貫で案件を受注しているため、SES同業他社ではできない上位工程にも社員を携わらせることができる。上位工程に育成枠を設けることで、ジュニアなエンジニアでも上位工程に挑戦する環境が整えられている。この人事戦略により、弊社社員の技術力や付加価値を上げると共に、離職率の低下に成功している。
- Q: 一般的にIT人材は採用難だが、貴社はどのような戦略でコストを抑えつつ、優秀な人材を確保していく方針なのか。
A: IT人材の採用競争が過熱していることは事実である。一方で、弊社の24年9月期通期の採用実績は成長しており、弊社の採用戦略は現時点で採用環境にフィットしていると考える。キャリア採用の間口は広くしているため、相当の数の応募がある状況である。効率的に面接を行いながら内定を出す仕組みを整えているため、弊社は採用コストを抑えつつ、優秀な人材を十分に確保できる環境になっている。
- Q: 戦略領域の売上高の伸びが鈍化傾向になった要因と、今後の見通しを知りたい。
A: 鈍化傾向になった要因の一つとして、前期までは大型の受託案件があったものの、これに代わる大型受託案件の獲得が出来なかったことがある。前期における案件はグループ内でも過去最大の案件であったため同規模の案件獲得が実現できなかった。前期の計画段階で成長がやや鈍化する想定ではあったがM&Aで見込んでいた案件が欠落してしまったこと、業界内で他社によるシステム導入トラブルが盛んに報じられたため当社案件でも発注に慎重となるクライアントが出たことも影響した。今後についてはこれを回復させるためにM&Aや見込み客を積み上げ、前期のようにはならないようにしたいと考える。
- Q: (関連して)戦略領域のシナジー創出や新規M&A貢献が下回ったことについて、これは先述の他社によるシステムトラブル要因が大きいのか。
A:戦略領域におけるシナジー創出については、弊社グループ内部でのアップセル・クロスセルが少なかったことが要因である。具体的には、現場のマネージャークラスが企業全体に波及するほどの人数がいなかったことが挙げられる。このことから、アップセル・クロスセルをするための評価の仕組みを今期用意しているため、これの成果が徐々に効果を表すと考える。
新規M&Aについては、想定を下回ったため、ペアキャピタルとの業務提携を含め、強力に推進していく体制を整えている。
- Q: 貴社の営業利益率が高くない理由と、人月平均単価が60万台である理由を知りたい。
A: 平均単価はプログラマークラスを入れ込んだ単価であるため、約60万円となっている。弊社は一気通貫で案件を請け負っているため、単価が高くない工程も一定割合存在している。このため、その分が平均を下げている。こういった影響を除けば単価は80、90万程になる。
- Q: 貴社の役員構成を見ると、SIビジネス従事経験のある人がいないが、業務への支障はないのか。
A: 指摘の通り、ホールディングスとしての弊社役員構成ではエンジニアバックグラウンドの役員はいないが、実際の顧客折衝や大手SIerへの営業活動は各事業会社の役員が行っており、ホールディングスの役員はその各事業会社役員の背中を推す役割であるため、プロジェクト管理やノウハウにおいては支障が全く出ていない。また、SIビジネスにかかわったことがない分、業界の習慣に囚われない意見を述べることができる。このことから、弊社役員の知見としては、経験者以上のものがあると考える。
出典:ヒューマンクリエイションホールディングス 会社概要・沿革 より
- Q: 現場は経営層が打ち出した戦略を納得感を持って動けているのか。
A: 納得感どころか喜々として取り組んでもらっているため、温度感は高い。取り組んでもらうことによるリターンも明確にしているため、しっかりやりがいを持って取り組んでもらえていると考える。
- Q: 貴社が上場している意義や、還元強化のモチベーションについて知りたい。
A: 上場を目指した理由のひとつは、従業員の意識向上である。私が着任した時には派遣ビジネスのみを行っていたため、「単なる派遣」という意識の従業員が一定数存在したが、これを払拭するために、従業員ひとりひとりの出している価値が世の中に対してこのように貢献し評価されていると具体的に示したかったため上場を目指した経緯がある。グロース市場への上場は達成したが、今後はプライム市場を目指すことで、さらに従業員のモチベーションを盛り上げたいと感じている。そのため、還元強化も行うことが必要だと考えている。
- Q: 貴社のSESビジネスにおける強みは何か。
A: 弊社では特定業種や領域に特化はしていないが、逆に言えば出来ない領域がないともいえ、が弊社の強みとなっている。この強みが弊社の取引先企業の多さや、業種の豊富さにもつながっている。特定領域への特化ではなく、全方位に従事する事で経営上のストレス耐性が強い会社を作れると考えている。AI活用などの個別のテーマについては、弊社が今年の2月に実施したM&Aのように、買収を通して吸収しグループ全体でのシナジーを発現させる方針である。
- Q: 会社を買収する際に大切にしていること、M&A後にシナジーを生み出せるための仕組み作りについて知りたい。
A: 弊社は過去に5件のM&Aを行ったが、買収時の想定を下回るとして減損に至った先はない。これができた理由として、企業買収前に企業トップとの面談を行っていることが挙げられる。買収先が何を求めているのかを十分にヒアリングし、これが弊社のイメージと一致した会社のみM&Aを行っている。また、シナジーを生み出すため、PMIを円滑に達成できるように100日プランを作っている。このように、買収前に企業がどのようにグループに溶け込み、どのような領域でシナジーを出せるのかを綿密に検討していることが、弊社のM&Aの成功につながっている。
- Q: 戦略領域とSESの採用はそれぞれで行うのか。また、SESから戦略領域への登用はあるのか。
A: 二つの領域で求められるスキルには、共通しているものもかなりある。このため、SESで育成した社員が受託開発案件にアサインされコンサルになったり、新規の受託案件プロジェクトにアサインされることも日常的にある。また、採用については、戦略領域やSESに分かれているのではなく、それぞれの事業子会社が必要としている人材要件を定めたうえで、各社の採用戦略に基づいて採用している。
- Q: 稼働時間が収益に直結すると思うが、働き方改革やノーコードといったマクロの動きのリスクはどのように認識しているのか。
A: 稼働時間よりは、稼働率が収益に直結すると考える。この理由として、SES契約を通して案件に参画することで新規案件を獲得する機会も増えること、また反対に当社エンジニアが待機に回ることは直接的に利益の減少につながるためである。これを踏まえたうえで、日々クライアントと対話して、エンジニアの案件アサインの機会を最大化をすることが重要だと考えている。また、弊社はSES業界が爆発的に成長することは考えていない。このため、ノーコードのような省力開発手法が主流になっても、契約が取れる技術力を持つ人材を育成することが肝要だと考える。
- Q: 貴社のSES派遣には、特定のベンダーへの偏重はあるのか。また、現場に送る社員はまとめておいたほうが良いと思われるが、どう考えているか。
A: 特定ベンダーへの偏重はなく、過度な依存はない。現場に送る社員はまとめてある。例として、プロジェクトごとにベンダーに送るエンジニアの総数は6、7人が相場であり、弊社は3から5人をまとめて派遣している。
- Q: 不採算案件は過去にあったのか。あった場合は、企業としてどのように対応したのかも教えて欲しい。
A:一般的に「炎上案件」と言われるものだが、弊社は一件も発生したことがない。この背景として、案件の受注前にリスク試算やバッファーリスク対応方針を詳細に検討する受注判定会議を設けており、承認を得てから受注する体制としている。このため、弊社は炎上案件の受注を防ぐことができている。
- Q: 未経験社員に上流SEを担当させる際、収益を下げるなどの課題は生じないのか。
A: 育成中のエンジニアについても無償のような形で入れることはない。本来得られる収益が少なくなることはありうるが、発注元が許容できる範囲で有償でのアサインメントを行っている。このため、収益が著しく下がるリスクはない。
- Q: 業績予想にはM&Aによるものも含まれているのか。
A: 前期は業績予想の中にM&Aが2-4億円含まれていた。このため、業績予想には一定程度のM&Aが織り込まれており、この方針は今後も変えないつもりである。
- Q: 社員のモチベーションを上げる取り組みとして、持株会の奨励金制度など工夫していることはあるのか。
A: 持株会の奨励金制度はすでに導入しており、これに加えて係長以上の従業員に対してはストックオプションを付与する制度も導入している。以上の2つの施策を用いて、社員にオーナーシップを持たせる工夫をしている。
- Q: 現在の株価についての意見を知りたい。
A: 株価は市場の需給により形成されるものと認識していることから、当社として株価水準に対して意見を述べる立場にはない。しかし、弊社として、ビジネスモデルや、過去の業績トレンド、今後の道筋に対して投資家の皆様に対して十分にはご理解いただいていないという認識をしている。このため、今回のようなQ&Aセッションを通して、株価にポジティブな影響を与えたいと思っている。
出典:Yahoo!ファイナンス ヒューマンクリエイションホールディングス より
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