2024年9月11日に実施したユナイテッド株式会社(2497)IR説明会の書き起こし記事を公開しました!
※元記事はこちらです。
https://ishare-emh.com/report/757/view-full

~~~ IR説明会Q&A要旨 ~~~

Q: 2022年頃はスタートアップの冬と呼ばれていたが、直近の投資事業や事業環境に変化はあるのか。

A: スタートアップのフェーズによって異なる。弊社は起業直後のシードステージに焦点を当てて投資をしているが、シード時点ではスタートアップが増えている印象である。ただし、最近ではIPOをしても株価が伸び悩む企業が多いと感じる。このため。エクジットの選択肢にIPOに加えてM&Aによる売却も考えている。以上の理由から、マーケット全体を鑑みるとIPOのハードルは上がったと感じる。

Q: テック投資として貴社が注目している業態の企業はなにか。また、日本ではイノベーションが生まれづらいと言われているが、どう考えているのか。

A: 弊社は過去にはインターネット関連会社をメインに投資してきたが、現在はインターネットに加えてデジタル関連など、テクノロジーを利用した会社に焦点を当てている。直近の一例として、衛星打ち上げロケット開発企業に投資をしている。テクノロジー技術は様々な産業で応用、導入されているので、弊社の投資対象が増えていると思う。これによって将来的に様々なイノベーションが生まれると考えている。

Q: アドテク・コンテンツ事業の売上と利益が減ってきているように見えるがこれはGoogleのアルゴリズム変更によるものなのか。

A: 同事業の中で特に減っているのはアドテク部分である。売上と利益の減少はGoogleによるアルゴリズム変更を起因としたものではなく、コロナによって一時的に増加したものが元に戻ってきたためだと考えている。具体的に、コロナ期間中よりも外出等が増えてネットに触れる時間が減ったことが要因である。このため、弊社を含めてアドテクを主要としている他社も売上や利益の減少が見られる。底は打ったとみられるが、基本的には現状水準で推移をしていくと感じる。

Q: 教育や人材マッチング事業の業績が伸ばし切れていない印象があるが、なにがボトルネックになっているのか。

A: 教育事業の売上高の減少には個人向けスクール事業が影響している。同事業はコロナ時に急激に伸びたが、同時に多くの競合参入によりユーザーの獲得が難しくなっている。他方、企業向けの研修ビジネスはリスキリングなど需要が増しているため個人向けビジネス以外の領域で売上を補おうと考えている。人材マッチング事業は副業とフリーランスに特化していたが、副業の需要が高い労働市場に対して正社員の需要が高い企業側のニーズのギャップが障壁になっていることが分かってきた。今期は転職潜在層を含む独自の求職者グループを構築することで、成長企業に対してニーズに沿った人材を適切な契約形態で紹介していく。

Q: 人材マッチング事業は3年後に業績をどれくらい伸ばしたいか教えて欲しい。

A: 弊社の投資事業以外の事業で大きいものは20億円ほどあるため、まずはいち早くこの水準にたどり着けるようにしたい。

Q: 事業名称を変更した理由はなにか。

A: パーパスを基にやるべきことを再定義して、パーパス起点に事業名称の表現を変えたためである。

Q: 投資有価証券の売却は1Qに集中している印象があるが、これはなぜか。

A: 直近の例だと、メルカリの株式を先渡し形式で売却することを証券会社と契約したため。この決済タイミングを1Qに設定していただけであり、特別な意図はない。

Q: 最近出資されたAstroxとはどういう会社なのか。また、宇宙事業の投資は他にも行っているのか。

A: ほかの質問に対する回答でもふれたが、衛星打ち上げロケット開発企業である。具体的にはロックーンと飛ばれるロケットと気球を組み合わせて成層圏からロケットの打ち上げを行っており、土地面積の狭い日本でもロケットを打ち上げることができるという強みを持っている。他の宇宙事業会社に投資はしていないが、弊社は宇宙投資事業に投資をしているファンドに投資をしている。

出典:ユナイテッド株式会社 プレスリリース Rockoon方式ロケット打ち上げ事業を行う「AstroX株式会社」に出資 より



 Q: 配当に加えて優待を提供している理由は何か。

A: 基本的な方針として弊社はDOEを基準にして配当を提供している。昨年度、今年度は事業立ち上げのタイミングだからこそ特別配当等を実施したが、事業が拡大していく中では、事業への投資が優先的だと考えている。ウィルズ社のプレミアム優待倶楽部サービスを利用することで持続的に株主還元を多様な手段で提供できると考えたためである。

Q: 「善進投資」のアイデアは素晴らしいと思うが、ビジネスとして成り立つのか。

A: 前提として、弊社はボランティアで投資をしていない。このため、弊社はビジネスと成長性に加えて、社会課題が解決できるかを総合的に判断して、ビジネスとしての合理性がある場合にのみ投資をしている。テック投資との違いとして、投資回収期間の長さが異なることが挙げられる。一般的なベンチャーキャピタルでは2〜3年投資を行い、その後10年以内に回収をするが、弊社の善進投資はより深い社会課題に対して取り組むスタートアップの事業特性上、投資回収までに10年以上かかることも想定される。その代わりに、テック投資よりもリターンが増える可能性もあると考えている。

Q: 貴社の子会社は、投資事業の投資先をグループに組み入れているのか。

A: 現時点で、投資事業で投資をした会社を1社もグループ傘下に入れたことはない。投資先のIPOやM&Aなどのエグジット時に株式を売却してリターンを得るビジネスモデルである。このため、弊社の子会社は投資事業外でM&Aをした企業か、内部で分社化したものである。

Q: 各事業の従業員推移はどのくらいなのか。

A:従業員の推移に大きな増加はない。年度ごとに一定の変化は見られるが、その範囲内で変化している。投資事業の社員は案件拡大を見据えて増やしている。

出典:ユナイテッド株式会社 IR情報 決算説明資料 より

Q: 貴社の有価証券報告書には育休取得率が100%とあるが、育休を取ることが当たり前という雰囲気なのか。

A: 弊社の従業員は大企業ほど多くはないが、管理部門を管掌する私個人の見解としては育休は取るものだ、と思っており、社員も同様だと思っている。弊社の男性社員も育休を取るため、育休を取ることについての雰囲気に関しては社会一般的な流れと一致していると思う。

出典:ユナイテッド株式会社 2024年3月期 有価証券報告書 より

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