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~~~ IR説明会Q&A要旨 ~~~

Q: 貴社が開催した「クックビズ 就職&転職フェア2024」の成果について教えて欲しい。

A: 初めての開催にしては、満足度が高いイベントになったと感じる。そもそも弊社はオンライン上の人材紹介を行っているのだが、クライアントからの問い合わせや新しいことに挑戦する社内の雰囲気から、このような対面のイベントを行うことを決めた。イベントは数百人が参加し、内定を2桁もらった人もいた。今回は東京の開催だったが、春にもう一度東京、秋に大阪での開催を計画している。このペースで毎年2,3回の開催を続けたい。また、駅や電車内にも広告を設けてオンライン以外での接触を増やし、認知拡大を図りたい。

出典:クックビズ株式会社 お知らせ 「「クックビズ 就職&転職フェア2024」 「すかいらーくホールディングス」や「養命酒製造」「ラウンドワンデリシャス」など、参加企業の22社を発表」 より

Q: 2025年も中国禁輸が継続する場合、どのような施策を考えているのか。

A: 2023年の7月頃から禁輸が始まり、4Qに大きな影響が出た。禁輸自体は2024年も続いていたが、中国にホタテが輸出されなくても、売上や粗利を出す手法はある。具体的には言えないが、国内向けのインターネット販売や東南アジア、北米への輸出といった手法がある。報道によると、今年中に禁輸が解除される見込みだが、禁輸後の仕入れが活況になり、仕入れ価格が高騰する可能性もある。このため、取引先と調整しながら、徐々に仕入れ価格を上げることを考えている。

Q: 採用計画について、人材は足りているのか、新卒採用の予定はあるのか知りたい。

A: 社員は足りているわけではない。現メンバーの生産性を高めながら、教育コストが現メンバーに影響が出ない範囲内で採用活動をすることを考えている。以上の理由から、今年の採用は10名である。新卒採用は26卒から採用しており、来年入社予定である。

Q: 昨年のHR事業における課題にはどういったものがあったのか。要因と課題解決策の取り組みについても知りたい。

A: 4月のリニューアルによる影響を受けたことが要因である。リニューアル前の試算ではコスト増加を見込み、上期に売り上げが落ち込むと想定し、下期偏重に予算を計上した。リニューアル後にバグの修正などで対処が2、3か月続いたため、影響が出た。さらに、外部要因である外食産業の決算悪化による採用のハードル上昇や、他業界への人材流出も挙げられる。他の変化として、ブルーカラーの正社員が注目を集めている。このため、過去の学びを活かして、この流れに乗るためにサービスの改善を行っていきたい。

Q: (関連して)コロナ中のリモート出勤が解除された際に、貴社社員のモチベーションに影響はあったのか。

A: 特に影響はなかった。弊社は以前から狭いオフィスに日替わりで出社しており、コミュニケーション不足や架電の際に他の人の声が聞こえるという欠点があった。このため、東京や名古屋はオフィスを移転し、課題解決を図った。弊社にはまだハイブリッド出社もあるが、オフィス出社率は高く、営業やキャリアアドバイザーは出社体制に戻している。

Q: (関連して)今の段階で、取り組み効果はどれほど出てきているのか。

A:  弊社は現在FY25の1Qが進行中であるが、1Qは新年会や忘年会でクライアントが忙しく、弊社事業としては閑散期である。このため、集客が減るので、マッチング数を抑えた予算になっている。閑散期に歩留まりが良くなる傾向があるため、現在のKPIは正常値に戻っている。繁忙期である4月までに良化したKPIが継続できるかどうかは不明だが、今の段階では練度を高め、数が増えたときに同じKPIで対応ができるようにシステムや教育の整備をすることを考えている。

Q: HR事業の外部環境についてはどう思うのか。

A: コスト増によって業績が厳しい会社が多く、人材不足だが採用が難しい、という理解である。現在は業績の優劣が徐々に明らかになってくる時期であり、コロナ融資の返済も始まっていることから、60万社の飲食店が生き残りをかけて戦っている状態である。一方で、一般的に採用活動は業績が良く、余裕のある会社が行うものである。このため、コスト増を価格に転嫁できている企業やインバウンド需要を捉えられている企業がこれから強くなる。弊社はそのような成長企業と伴走することを考えている。

Q: きゅういちにおける今後の販路開拓としては、どのような営業を行うことを考えているのか。

A: 中国によるホタテ禁輸後は消費者による応援消費があった。しかし、今後は価格競争力がないと手軽に販売することが難しくなると考えている。これまではインターネット専売であったが、今後は既存の販路を活かした卸売りも行うことも検討している。このため、新たに営業員を採用し、インターネットや飲食店向けの卸売りも行うことを計画している。

Q: 鮮魚、ホタテに次ぐ第三の柱はあるのか。

A: 今期からは加工に進出することを考えている。鮮魚やホタテは原材料に近いものであるため、食品加工業とはいいながら、実際には冷凍加工を行っている。最近では一部の商品を捌いてから冷凍、販売している。ホタテについても、大手回転寿司チェーンでは2、3枚におろして集荷し、付加価値を上げている。付加価値を上げることは、売価や粗利を上げることにつながる。このため、加工に知見のあるパートナーを組み、スモールサクセスを積むことが重要だと捉えている。

Q: 貴社の株は他社と比較すると割安で、魅力に乏しい。上場企業として、株主を意識した対策は取る予定なのか。

A: 株価が割安であることは真摯に受け止めている。HR事業の改善に加え、再現性を示さないと買いが入ってこないと感じている。また、これと並行して、株価対策を考えている。このために、増収増益を積み上げていくことを目標としている。

Q: 東京証券取引所の「機関投資家からのコンタクトを希望するグロース市場上場会社の一覧」になぜ貴社の名前がないのか。

A: 弊社がこのリストの存在を認識したときには、すでに締め切りが過ぎていた。2月以降一覧に表示されるように手続きを取りたいと感じている。機関投資家との関係に関しては、実際にミーティングを行ったり、長期的な関係を築いている。

出典 東京証券取引所 マーケットニュース 「機関投資家からのコンタクトを希望するグロース市場上場会社の一覧表の公表について」 より 

Q: 貴社は過去に高い人材紹介費を払える顧客がメインだと話していたが、前期に下方修正している。これは、貴社の持つ強みが変化したということなのか。また、コロナ特需について詳しく知りたい。

A: 弊社の人材紹介費は安くないことは自覚している。このため、業績や決算が悪化した企業は採用のハードルが上がり、競合他社のサービスを利用する。対抗策として、弊社は月額課金型である採用総合パッケージライトを展開している。低めの値段である一方、特定の頻度で採用をしないとお得さを感じない設計になっている。アフターコロナの特需は、採用を行っていなかった企業が数年分の採用を行っていること、コロナ中に他業界に流れた人材が再び戻ったことが挙げられ、弊社業績を支えていた。

Q: (関連して)異なる業種をローテーションする求職者は多いのか。

A: 今までは多くないと思っていた。ブルーカラー系の人材会社の成長率が高いことを見ると、ローテーションする求職者が一定数おり、影響を与えていることが考えられる。

Q: 貴社のM&Aの方向性はきゅういちのような事業再生の会社をターゲットとする方針なのか。

A: 弊社はHR事業、DX、事業再生の領域でそれぞれM&Aをすでに行っており、これらの方向でのM&Aを考えている。

Q: HACCP取得の進捗を教えて欲しい。

A: HACCP取得は検討を開始している段階であり、申請をした訳ではない。欧米へのホタテ輸出にはHACCPが必要だが、弊社は現時点で欧米への輸出は考えておらず、東南アジアへの輸出にとどまっている。

Q: 上場会社のシンクロフードとは、ビジネスが被っているのか。

A: シンクロフード社の人材・求人分野は弊社と被る部分が多い。一方で、弊社は人材紹介や採用総合パッケージのようなRPO、BPOサービスを提供しているが、シンクロフード社は求人メディアとスカウトメールを中心に行っているところが違いである。また、弊社のように人材紹介や採用総合パッケージを提供している企業は中堅大手向けにサービス提供をしているが、シンクロフード社は中小企業、個人向けにサービスを提供している。

Q: 貴社の人材紹介コンサルタントについて、能力による売上への違いを教えて欲しい。

A: 2倍の違いが普通に出ることがある。それほどコンサルタントの生産性の違いの差は顕著に売上に現れる。このため、ハイパフォーマーの行動をマニュアルに落とし込んで、そうではない社員は教育していく体制をとっており、生産性を平準化している段階である。

Q: 今期予想が前期業績予想修正前と同等の売上にも関わらず、利益が半減するのはなぜなのか。

A: 弊社は以前から営業利益を10%出すことをターゲットとしている。ただし、前期に大きく失敗してしまったため、その半分の利益率からしっかりと積み上げていきたいと考えている。採用した人材が粗利を稼げれば10%の目標は達成できると考えている。このため、少しずつ改善をしていきたい。

Q: KPIが正常化しているとの事だが、これを踏まえるとHR事業の予想は保守的すぎるのではないか。

A: 現在、弊社のKPIは完全に回復した状態ではなく、病み上がりの状態である。現状はモニタリングを続けないとKPIの良化が一時的か長期的であるのか判断はできない。また、12月や1月で良化したKPIが今後続くかどうかは不明なため、保守的な数字になっている。繁忙期でKPIを継続できれば、十分上振れを狙えると考えている。

Q: CASTとワールドインワーカーの進捗を教えて欲しい。

A: CASTは2年の単月黒字化を目標にしており、実現可能である。プロダクトのリニューアルを行い、受注も上向きだと聞いている。弊社は現在HR立て直しにリソースを割いているため、CASTにおいては独自にマーケティングを行うことを検討し、目標実現に向けたモニタリングを続けたい。ワールドインワーカーは特定技能外国人の人材会社は競争が激化しており、値下げ合戦が行われている事もあり売上が想定よりも伸びていない。このため、cookbizと同様に中高価格帯のサービスを提供する戦略としており、挑戦している段階である。

Q: Phase2のリニューアルについて詳しく知りたい。

A: FY25中に行う予定であり、うまくいけば上期中に開発が完了する。現在は受入れテストを始めている段階であるため、新しいシステムに慣れれば今期中にその効果が発動され、実感できると考える。実現できれば、人材紹介と求人広告、スカウトがシームレスに会員から求人管理の一環として行うことが可能となる。今期中に進捗が伝えられると考える。

Q: 業績が苦しい中、社内会議ではどのようなメッセージを発信したのか。また、社内の士気はどのような状況か。

A: 現状を鑑みて会社が一つになるべきだと感じたため、12月に会社全体で社員総会を開いた。ミッション、ビジョンについては半年前から準備をしていた。以前のミッションは抽象度が少し高かったのでグループ全体でのミッションとなり、「食」は「人」であるという原点に立ち返った。社員の反応としてはミッションに関するワークショップを行った動画を同時に公開し、非常に盛り上がった。このような時こそ一致団結して人材サービスにコミットすることを私自身も社員と約束したため、積極的にリーダーシップを発揮したい。

【YouTubeアーカイブ配信URL】

https://youtube.com/live/2Yn6IlFlkRU